切削工具の基礎Base

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私たちが普段から使っている「刃物」には、実はさまざまな種類が存在しています。中でもリード刃物では、切削工具(超硬・PCD)の製作・研磨・再生に力を入れています。ここからは、切削工具とは何なのか? 選ぶ際にはどんな点に注意すれば良いのか?といった基礎知識についてお伝えします。

切削工具とは?

切削工具とは名前が示す通り、材料を削ったり切ったりするための工具のことを言います。材料の種類にはさまざまなものがありますが、多くは木材や金属です。たとえば木を切る切削工具として有名なのはノコギリやかんな。金属の切削に使われるのはドリルやバイト、正面フライス、エンドミル。そして、研石や研磨剤といった“磨く”ためのアイテムも、同様に切削工具のひとつです。

このように、一口に切削工具と言っても多種多様な種類が存在しており、製造メーカーも異なります。ポイントとなるのは、対象の素材に合わせてどの切削工具を用いるべきか適切に選ぶことです。

切削工具に使用される材質

材料を削るためには第一に“硬さ”が必要です。材料よりも軟らかな素材でできた切削工具では、上手に削ることができません。一般的に、切削工具の材料に求められる硬度は材料の3~4倍と言われています。ちなみに、同じ硬さ同士の素材では、相打ちになってしまうこともあります。

ただし、硬いだけでは切削工具としては不合格です。これは、「硬い物は欠けやすい」という原理があるからです。たとえばガラスは非常に硬い素材ですが、簡単に割れてしまう脆さがあります。一方、粘度は非常に軟らかく、割れや欠けが起こりません。つまり、切削工具に使われる材質には“硬さ”と“粘り強さ”が必要なのです。

切削工具の多くに用いられているのは超硬合金

切削工具の多くに用いられているのは超硬合金

切削工具の材質は主に9種類のものが使われています。その中でもっとも硬いのはダイヤモンド。特殊な切削作業に用いられています。一方、もっとも軟らかいのが炭素工具銅です。ノコギリやヤスリといった工具に用いられています。

ダイヤモンドや炭素工具鋼はそれぞれの特徴を生かした場面で用いられることが多く、万能と言える素材ではありません。そのため、7~8割程度の切削工具では超硬合金が使用されています。硬さと粘り強さのバランスが良く、事業者はもちろん、一般ユーザーでも扱いやすいのがメリットです。

なお、超硬合金に近いサーメットや高速度工具鋼も、比較的よく使われている材質です。なお、高速度工具鋼は600℃以上の高温になると硬度が低下する性質を持っているため、摩耗のスピードが早くなります。

切削工具選びを行う場合は、対象となる材料が何なのか? どういった使い方をするのか? といった点を正確に把握した上で、どのような材質のものを導入するか考える必要があります。弊社でもアドバイスを差し上げられますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。